2014年3月27日木曜日

3/27 消費税増税 政府広報の偽り

 「社会保障と税の一体改革」に関する政府広報が新聞折り込みでいっせいに配られました。

  政府広報は「増収分5兆円はすべて子育て・医療・介護・年金といった社会保障のために使われます」と書き、消費税増税で社会保障財源が5兆円増えるかのような印象を振りまいています。

 しかし、実際には増収分のうち4兆2千億円については、他の税金などによる財源を消費税に置き換えるだけ。さらに2千億円は増税による物価上昇で消えます。

 新たに社会保障に回るとしている財源は、わずか5千億円にすぎません。それすら、「待機児童解消」の名による保育の質の引き下げや、「病床の役割の分化」の名による入院患者の追い出し強化などの制度改悪と一体です。社会保障は「充実」などしません。

 安倍内閣は、70歳になった人の患者負担(74歳まで)を、4月から順次2倍(1割↓2割)にします。年金支給額も昨年10月分の1%削減に続き、4月分からさらに0・7%減らします。介護保険では、要支援者向けの訪問介護と通所介護を保険給付から外すなど、制度創設以来の大改悪法案を今国会で押し通す構えです。
 

 消費税増税は景気後退を招き、経済も財政も悪化させます。1997年、消費税率を3%から5%に引き上げた後も税収はかえって減りました。
 

 政府広報は、消費税増税後の景気冷え込み対策として「5・4兆円の新たな経済対策」を実施するといいます。13年度補正予算のことです。しかし、その中身は

(1)復興特別法人税を1年早く廃止
(2)社会保障切り捨てを本格化
(3)新規大型開発事業に3000億円以上
(4)1200億円の軍事費計上

です。大企業だけが潤い、中小企業や国民には負担を押し付けるものばかりです。

 低所得者や子育て世代に1万円の給付金を支給すると言いますが、給付は1回だけ。消費税増税による負担は毎日です。国民全体で8兆円、民間研究所の試算で「年収300万円未満の世帯で約5万7000円」(みずほ総研)という大きな負担増を減らすにほど遠い対策です。

 低所得者や子育て世代の負担増を心配するなら、消費税増税そのものをやめるべきです。

 政府広報には給付金について問い合わせの電話番号が載っていますが、22・5秒に10円かかる有料ダイヤルです。3分話しただけで80円。低所得者給付の問い合わせにお金を取る非常識ぶりです。