2014年12月9日火曜日

12/9 GDP下方修正 経済壊す「アベノミクス」

 内閣府が8日発表した7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)の改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0・5%減、年率換算で1・9%減となり、11月発表の速報値(前期比0・4%減、年率1・6%減)から下方修正されました。企業の設備投資が0・4%減と速報値(0・2%減)から引き下げられたのが主な要因です。

 実質成長率のマイナスは消費税が増税された4~6月期から2四半期連続。安倍晋三政権の経済政策である「アベノミクス」が経済を壊し続けていることが改めて示されました。

 設備投資が悪化したのは、速報値段階での内閣府の推計に比べ実際の設備投資が弱かったためです。
 個人消費は、速報値と変わらず0・4%の微増にとどまりました。公共投資は1・4%増(速報値2・2%増)に下方修正されました。住宅投資も6・8%のマイナス(同6・7%減)と振るいませんでした。
 雇用者報酬は、名目で前年同期比2・4%増加したものの、実質では0・8%減少しました。安倍首相らが宣伝している賃上げが一部にとどまり、物価の上昇に追いつかない実態を示しました。消費税増税と合わせてGDPをマイナスに落ち込ませている元凶となっています。



 2012年からの1年間で働く貧困層(年収200万円以下のワーキングプア)は、30万人拡大。貯蓄なし世帯の比率は、14年に30・4%と、3割を超えました。消費税増税は、社会的弱者を直撃しています。

 金融緩和による円安が物価を押し上げ、家計を圧迫しています。日銀が追加緩和に踏み切って以降、わずか1カ月余りで10円以上円安が進行。即席麺やアイスクリームなど身近な商品の値上げ発表が相次いでいます。

 今回の改定値では、GDPの6割を占める個人消費の低迷に加え、設備投資の弱さも鮮明になりました。設備投資が、速報値より改善するとの事前の見方に反して下方修正されたのは、「小規模事業者や個人事業主の設備投資の動向が弱かったため」(内閣府)です。

 町工場やクリーニング店など暮らしに密着した個人経営の商店などの景気判断(総務省の個人企業経済調査)が、4月以降落ち込み続けていることが要因です。

 今こそ、大企業応援の経済政策から、暮らし第一に転換することが求められます。