2014年5月11日日曜日

5/11 安倍色に染まる マスコミ②

 元経済産業省課長、元内閣審議官の古賀茂明さんは続けます。

 「国際NGOの『国境なき記者団』が出す報道自由度ランキングというのがあります。

 日本は今年また6ランク下がって59位ですよ。60位近いというのは先進国じゃない。欧米で本当の先進国といえるのは30くらいで、60位というのはアフリカの国が混じるくらいです。今年下がったのは特定秘密保護法が理由ですが、事態は悪化しています。

 マスコミの機能が相当落ちている理由は、記者クラブの問題もありますし、テレビ局と新聞が系列になっている問題も大きいと思います。

 
  テレビ局は系列新聞の顔色をうかがいます。しかも、テレビ局は視聴率競争がますます強まっている。報道番組でも視聴率をとることに血眼です。どの局に行っても、廊下中べたべた視聴率の数字です。バラエティーやドラマなら分かるけど、報道のフロアもそうなんです。

 原発問題や、安倍首相の靖国参拝とか歴史修正主義の問題も、批判的にやると視聴率がとれないという。逆に、『中国、韓国けしからん』とあおり立てると喜ぶ風潮に、マスコミが迎合し、それで世論がますます一方的で傾いていく。すごく危ないですよ。」

 「昔は経営と報道の現場には緊張感がありました。報道の内容に経営は口をはさまないという不文律、非常に社会的なルールがありました。今は社長が報道番組を見て、『こんなことやってるから視聴率が伸びないんだ』と平気で言う時代になっています。それを現場が怒るんじゃなくて、それなりに受け入れる状況をみていると、危機的だなと思います。」

 「消費税についても、新聞社は、本気で反対したら、将来、消費税の軽減税率の対象にしてもらえるか、と恐怖心を持っている。下手すると、再販制度をはずされるかもしれないという恐れもあるでしょう。」

 政権がいろんなところで、情報操作に加えて、アメとムチをうまく使いながら、マスコミをコントロールしているようすがよく分かるインタビューでした。