2015年1月31日土曜日

1/31 英経済紙 「アベノミクス」を批判

 英経済誌フィナンシャル・タイムズ28日付掲載のコラムは、大企業優遇の「アベノミクス」を批判しました。

 コラムは、「アベノミクス」第一の矢である禁輸緩和政策は、家計を犠牲にしたものだと指摘。高齢の預金者層に痛みを伴う低金利政策や円安政策、企業優遇の税制では「国内需要はすぐには戻らない」としています。

 「アベノミクス」第二の矢は、大型皇居事業拡大を柱にした景気刺激策ですが、この点についてもコラムは、財政支出拡大による景気刺激効果がほとんどなく、むしろ「将来のさらなる増税によって(景気刺激効果は)相殺されてしまう」としました。

 さらにコラムは、日本経済の成長モデルが、消費の力強さに基づいたものではなく、低賃金と低金利による輸出拡大政策であり、企業に利益をもたらすためのものだったと指摘しています。中国などの追い上げによって、その競争優位も失われていることも述べています。

 OECD(経済協力開発機構)も、昨年12月に発表した報告書で、格差拡大の政策では経済成長はできない、「トリクルダウン」(大企業が潤えば、そのおこぼれがいずれ庶民にも回ってくる)という考え方は誤りだとの分析を示しています。

 日本銀行が昨年12月に発表した「生活意識に関するアンケート調査」でも、国民の多くが「生活にゆとりがなくなってきた」「1年後の景気は悪くなる」と答えるなど、「アベノミクス」への幻想は急速に剥がれ落ちつつあります。

 破綻が明らかな大企業応援の「アベノミクス」から、暮らし第一へ、経済政策の転換を求めるたたかいが、いよいよ急務です。