2014年9月11日木曜日

9/11 命と安全 置き去り 川内原発の審査書決定

  原子力規制委員会は10日、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)について、再稼働の前提となる規制基準に「適合」とする審査書を決定しました。

 規制委は、審査書案に対する意見公募を1カ月間実施し、1万7819件が寄せられました。

 再稼働に対する国民の不安や疑問を反映し、「地域住民の避難計画が原子力規制委員会の審査対象になっていないため、審査書案には不備がある」「カルデラ噴火の可能性は十分に小さいと判断する根拠や基準が不十分」「福島第1原発で現に起きている汚染水事故対策について検討しておらず、防止策もとられていない」など、防災や火山に関するものが多かったといいます。

 しかし、言葉の細かい直しの修正のみで、結論は変更しませんでした。

 この夏は、48年ぶりに「稼働原発ゼロ」の夏となり、原発なしでもやっていけることが証明されました。原発の商業運転が始まって48年、原発稼働ゼロの最初の夏となったことしの夏も原発なしで電力がまかなえているのに、再稼働を強行する根拠はありません。

 大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた5月の福井地裁に続いて、原発事故で避難中に自ら命を絶った女性への損害賠償を命じた8月の福島地裁の判決は、ともに「原発と人類は共存できない」ことをはっきり示しました。

 原発再稼働の企ては断念し、停止したまま、「原発ゼロ」を実現すべきです。