2014年9月17日水曜日

9/17 教育への公的支出 5年連続最下位

 経済協力開発機構(OECD)の最新の調査で、国や地方自治体による教育への公的支出の国内総生産(GDP)に占める割合が、日本は比較できる加盟32カ国中最下位であることが明らかになりました。日本の最下位は5年連続。公的支出が少ないため、国民の教育費負担が世界の中でも異常な高さとなっています。
 OECDの調査結果では、教育への公的支出が、日本はGDPの3・8%にとどまり、OECD平均の5・6%を大きく下回っています。

 一方、教育への支出のうち私費負担の割合が日本は30%で、OECD平均の16%の2倍近くになっています。大学などの高等教育への支出は私費負担が66%を占めています。これはOECD平均31%の2倍以上にのぼります。

 日本では、大学に入学した年に払う学費は国立で約82万円、私立では平均約131万円にもなります。返済の必要のない給付型奨学金の創設は切実な要求がありながら、毎年見送りになり、多くの大学生が有利子の貸与型奨学金に頼らざるをえません。大学生は在学中からアルバイトに追われ、卒業と同時に600万~700万円の借金を背負うことになり、返済に苦しんでいます。

 高校以下の教育でも、安倍晋三政権は高校の授業料無償化を廃止して、就学支援金に所得制限を設けたり、35人学級の計画を小学1年でストップしたり、教職員の数を減らすなど、教育への公的支出を増やすことに逆行しています。

 OECD加盟国のほとんどは高校が無償で、欧米では学級編成の基準は20~30人です。ここでも日本は世界の動きに反しています。

 日本は昨年、教育振興についての基本方針を定める「第2次教育振興基本計画」を策定しました。文部科学相の諮問機関である中央教育審議会の出した「基本計画」の案は「OECD諸国並みの公財政支出を行うこと」を将来的な目標に掲げました。ところが安倍政権が最終的に閣議決定した「基本計画」は、その目標を削除しました。安倍政権の姿勢は国際的な流れに背くものです。

 政府は、教育への公的支出をOECD平均並みに引き上げて、ゆきとどいた教育を実現するべきです。