キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長の死去をうけて、志位委員長がコメントを発表しました。
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キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長の死去の報に接し、深い悲しみを抱いています。ご遺族とキューバ政府・国民のみなさんに、心からの哀悼の意を表します。
カストロ前議長は、バティスタ独裁政権を打倒したキューバ革命を成功に導き、米国による不当な経済封鎖に抗して、医療や教育を重視したキューバの新しい国づくりに大きな貢献をしてきました。また、国連憲章にもとづく平和秩序と民主的な国際経済秩序を求める非同盟運動の発展のために、大きな足跡を残してきました。
2010年、地域の33のすべての国が参加して中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)が設立され、かつて「米国の裏庭」とされてきたこの地域は、米国から自立した平和の地域共同体へと大きく変わりました。この歴史的変化をかちとるうえで、独立と民族自決権を断固として掲げつづけたキューバが、かけがえのない役割を発揮したことは、疑いのないことです。
カストロ前議長が刻んだ歴史的足跡を想起しつつ、キューバの国づくりが成功をおさめることを心から願うものです。
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私(奥村)は、2000年にキューバを旅行しました。1カ月間、東西に長い島の端から端まで巡ったなかで、カストロ氏のモニュメントや記念館をひとつも見かけることはありませんでした。
中国や旧ソ連のいわゆる社会主義国の権力者のように崇められることを望まないカストロ氏のことを、明るく人なつこいキューバの人たちは「エル・コマンドール(司令官)」とし親しみを込めて呼んでいました。
どの町でも、サルサの音楽が流れ、楽器を演奏する人、踊る人がいたるところにいました。
週末には、公民館のようなホールやあるいは屋外で老若男女が集まり、賑やかにダンスパーティーを開いていました。私もその輪に加わって踊りました。
人口比で最も多くの医師を抱えるキューバは、世界中に医師を派遣し、平和外交を実践しています。
教育水準も、ラテンアメリカ諸国では突出して高く、識字率は世界179の国と地域の中で、第1位です(ウィキペディア「識字率による国順リスト」)。
強靱な精神力と体力を誇り、1回の演説で5時間、6時間と話し続けることもめずらしくなかったカストロ氏。「常に勝利を目指して」、社会正義を貫く情熱あふれる指導者でした。
偉大な英雄、カストロ氏の遺志が継がれ、キューバが真に豊かな国となることを、心から願います。