2014年2月18日火曜日

2/18 学費無償は世界の流れ 給付制奨学金を

 2月17日の衆院予算委員会で、日本共産党の宮本岳志議員が給付制奨学金の実現を迫りました。

 政府は、新年度予算案に、高校生向けの「給付制奨学金」が盛り込みましたが、それでも日本の学生支援は貧弱です。

 日本政府は2012年9月、大学まで段階的に学費を無償にすることを取り決めた国際人権規約の条項を33年ぶりに留保撤回しました。

 しかし、OEECD(経済協力開発機構)加盟34カ国中、「大学授業料無償化」と「給付制奨学金」の2つとも行われていないのは日本だけです。

 

 
 諸外国と比べて高い学費の背景には、大学教育に対する予算が少ない問題があります。

 下村文科相は、「新年度予算案では国立大学運営費交付金を前年比で3.1%増、私学助成は0.3%増増やした」と弁明しましたが、これは国立の教員給与を減らした分を戻した影響で、大学の法人化後、減り続けています。経常費に対する私学助成の補助割合もピークの29.5%(1980年)から、現在は3分の1の10.4%まで減っています。

 また、96年に奨学金を借りていた学生(昼間部)は21.2%だったのが、今では50.7%にまでなっています(文部科学省、日本学生支援機構調査)。

 下村文科相は、「新年度予算案では返済の猶予を5年から10年に延長し、延滞金を10%から5%にした」と弁明し、麻生太郎財務省は「借りた金が返すのが大事」と言い放ちました。
 

 貸し付け制の奨学金制度によって、学生は大きな負担を背負い、卒業後にも借金漬けにされ、厳しい経済状況に追い込まれていることに目を向けるべきです。

 自民党は2012年の総選挙時に「給付型奨学金の創設に取り組む」と公約しています。
 
 

 大学生向けの返済不要の給付制奨学金は84億円あれば実現できます。

 大企業には8000億円もの復興特別法人税を前倒し廃止、(米軍への)思いやり予算は何千億円も出しながら、学生にはわずか84億円も出せないようでは、若者の未来は守れません。