2015年11月28日土曜日

11/28 安倍首相の執念 「共謀罪」の危険

 パリで起きた過激組織ISによる同時テロをきっかけに、共謀罪の導入を求める発言が、自民党幹部や安倍晋三内閣の閣僚から相次いでいます。

 共謀罪は、「テロをなくす」ことを口実に、戦争法や秘密保護法とあわせて、日本を「戦争する国」につくりかえるため、国民のプライバシー権、言論・表現の自由、思想・信条の自由など、憲法の基本的人権を脅かす危険がとても大きいものです。

  共謀罪ができれば、犯罪に関係のない一般の市民が警察に「怪しい」と特定されて監視対象とされる可能性が強まり、日常行動をスパイされたり、市民間の電話、電子メールなどが広く監視されたりする危険に巻き込まれてしまいます。

 また、犯罪の実行、着手、準備などの行為がなくても、2人以上の人が犯罪について話し合うだけで処罰されるのが「共謀罪」です。

 共謀罪導入を盛り込んだ「組織犯罪処罰法改定案」は2003年以降、国会に3度提出されましたが、いずれも国民の反対世論が廃案に追い込んできました。

 具体的な犯罪行為があって、初めて罰する近代刑法の大原則をゆがめ、国民一人ひとりの「内心」まで処罰対象にるす憲法違反の法律だと専門家からも批判されています。

  安倍政権が2013年に成立を強行し、来月12月1日から本格施行される秘密保護法ではすでに共謀罪の規定が盛り込まれています。

政府が指定した「秘密」を教えてもらおうと相談しただけで「共謀」が成立する危険があります。何が秘密かも秘密なのが「秘密保護法」なのだから、どこまで処罰されるか分からないのが実態です。

  10月からは、日本国内在住者すべてに共通番号を付けて情報管理を可能にするマイナンバー制度も始まっています。国会では盗聴法の改悪、司法取引制度の導入を盛り込んだ法案が継続審議になっています。

 ここに共謀罪が加われば、国民はいっそうの国家の監視の目にさらされることになります。

  共謀罪は、人の内心の処罰につながる点で、戦前の絶対主義的天皇制が、結社や思想を弾圧した「治安維持法」の再来と呼ばれています。

 国民相互の監視・密告を奨励し、監視社会を強め、日本を「暗黒時代」に引き戻す違憲立法はストップさせましょう。