2011年4月8日金曜日

4/8 吉井議員の警告が現実に


 共産党の吉井英勝・衆議院議員は、2005年以来、国会でくりかえし「地震や津波などによる全電源喪失が、原子炉の冷却機能を破壊し、炉心融解が起きる」ことを取り上げてきたのに、政府は耳を傾けませんでした。

 昨年5/26の衆議院・経済産業委員会でも、吉井議員はこの危険性を指摘しましたが、経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は「論理的には考えうるが、現実には起こらない」と答弁していました。

 4/6(一昨日)、原発事故発生後、初めての衆議院・経済産業委員会が開かれました。

 吉井議員:「“理論的な話”ではなく、現実のものとなったのではないか」
 寺坂院長:「現実に、指摘のような自体が発生した。当時の認識の甘さを深く反省している」

 今回の事故について、菅首相や東京電力・清水正孝社長は、『想定外』としています。
 
 しかし、原子力安全基盤機構(JNES)の研究報告は、「全電源喪失で0.6時間後に核燃料が落下、1.8時間後に圧力容器が損壊する」と警告していました。

 それなのに、地震発生後、政府の対応には10時間以上の空白があり、きちんとした対策がとられませんでした。

 《3月11日》
 14時46分 地震発生
 15時42分 全電源喪失。炉心融解の可能性を認識(経済産業省に通報)
 
 《3月12日》
 01時30分 枝野官房長官がベント(蒸気排出)指示 ★地震発生から10時間以上経過
 06時00分すぎ 枝野官房長官が東電に「どうしてベントがすすんでいないのか」
 06時14分 首相、安全保安委員長が「原子力災害対策本部」を離れ、ヘリで現地視察へ
 10時17分 ベント(蒸気排出)開始 ★地震発生から19時間以上経過
 20時5分 海水注入 

 今回の福島原発での事故は、政府が①吉井議員がくり返してきた警告に耳を貸さなかったこと、②初動に遅れたこと、による『人災』です。

 吉井議員は、「多くの研究者や技術者から、政府に提言を受け付ける窓口がないとの声が上がっている。受付部門をつくり、危機からの脱却のため日本の英知を総結集すべき」と提起しました。

 そして、「国も、電力会社も、原子力安全委員会もみんな『原発の安全神話』を信仰し、“原発利益共同体”を築き、情報公開しないで、国民の安全より企業利益に走った。思い込みと秘密主義こそが重大な事態をもたらした」と締めくくりました。

 吉井議員のオフィシャルHPもご覧ください→http://www.441-h.com/