2011年10月2日日曜日

10/1 「奥村あきこレポート」No.29できました



 9月26日の「第3回定例会」の一般質問に立った内容を特集。

 ★「原発事故は天災?人災?」区長に問う
 
 8月9日、月島第二児童公園で開催された平和モニュメントの序幕式で、佃中学校の生徒が代表として読み上げた「平和宣言」を紹介。『・・・東日本大震災は天災ではありましたが、現在も収束の兆しを見せない福島第一原発の事故は、人災であると思います。被ばくという恐ろしくて悲しい体験を過去に背負っているはずのこの国で、今再び被ばく者が生み出されてしまっているのです・・・』。これは重く受け止めるべき言葉です。
 「区長は天災だと考えるか、人災だと考えるか」との私の質問に、区長は「国の検証を待ってからでないと何とも言えない」と消極的な答弁でした。

 ★放射線測定器 区民に貸出しを

 今、中央区には都から借り受けている物1台と、区が独自に購入した物2台の計3個の測定器があり、さらに1台購入予定となっています。
 「使用していない時間に、区民から要望があれば、貸し出すことも考えるべき」と迫りました。1回目の答弁では「考えていない」というものでしたが、「新宿区では既に貸出しが始まっている」という私の再質問に対して区長は「新宿区を参考にするのもよいかもしれない」と答えました。これからも引き続き貸し出しを要求していきます。

 ★大規模複合施設建設 区民の要望聞き取りを早く

 中央区は「労働スクエア」跡地に、中央区の文化・生涯学習・区民活動の拠点となる大規模複合施設を整備するとしています。
 区民からは、「300人規模の音楽ホールがほしい」「認可保育所をつくって」「敬老館を入れるのなら、お風呂も必要」など様々な要望が出ています。
 基本設計委託契約の発注手続きは9月となっていますが、これは区民の税金で建てられる、区民の施設です。
 「区民に本当に喜ばれる施設とするため、基本設計に入る前に、区民の要望聞き取りの具体的なスケジュールを1日も早く立てること」を要求。区は「考えていく」と答えました。

 ★教員の授業力向上に必要なのは少人数学級実現

 教員の授業力向上のため、秋田県の教育専門監制度を参考に「メンタティーチャー」という中央区独自の制度が今年度から始まります。既に2名の教員がメンタティーチャーに認定されており、秋田県から教育専門監を招いた特別研修が実施され、本区からもメンタティーチャーを秋田県にも派遣し、授業研究等を実施するということです。
教員は今、報告書の作成や、いじめや不登校があればその対応に追われ、授業準備もままならない状況に置かれています。
「学力全国1位の秋田県も、学力世界1位のフィンランドも、少人数学級が実施されている。学ぶべきは、教育専門監制度ではなく、教員の数を増やし、少人数学級を進め、教員一人あたりの負担を軽くしていくこと。それが教員が自ら学び、授業力をつけていくことにつながる。1日も早い少人数学級実現を」要望しました。

 ★危険をはらむ武道必修化 中止も視野に入れて

 来年度から全国の中学校で武道が必修化され、中央区でも実施予定となっています。
 名古屋大学・内田良准教授の調査によると、2009年までの27年間で、中学・高校の部活動と授業中に、柔道で死亡した生徒は110人、障害を負った生徒は275人にのぼり、主な原因は頭を強く打ち付けたり、急激に振り回されたりすることで、脳を包む硬膜と脳の間の静脈が切れることによる「急性硬膜下血腫」となっています。まだ受身も十分にできない生徒に、指導者が危険な技をかけたことによる事故も少なくありません。こんな状況は日本だけです。
 日本の3倍以上の柔道人口があるフランスでは、高等教育の後、2年かけて医学知識も身につけた上で国家資格を取らなければ、柔道を教えることはできません。
 「十分な数の指導者を確保できないのならば、文部科学省に武道必修化の中止を求めることも視野に入れるべき。急ぐ必要など全くない」と求めました。