2010年7月24日土曜日

7/22 明石小問題を「東京新聞」「産経新聞」が報道


←国重要文化財級の価値があるとされる「中央区立明石小学校」ですが、8/10には解体工事が始まる予定

 7/14付「東京新聞」の報道に引き続き、新たに7/22付「産経新聞」、「東京新聞」で明石小学校の解体問題がとりあげられました。

 7/21には、「NHK首都圏ニュース845」でも報道されました。
                  
 明石小は、関東大震災後に建築された中央区に7校ある「復興小学校」のひとつ。明石小の解体問題では、「明石小学校の保存を望む会」→http://www.justmystage.com/home/akashihozon/が今までに署名を5回提出、保存のための講演会やシンポジウムも開かれています。
                                   
 そんな中、日本建築学会が明石小学校について、「国指定重要文化財に相当する価値がある。その価値を後世に伝えていくべきだ」とする「保存要望書」を、7/9付で中央区長に提出しました。
                                   
 しかし、区側は「学校では引越し作業も進んでおり、解体については近隣住民に対しての説明会も終え、理解を得ている」として、解体計画を続行する構えです。
                                   
 私も傍聴した7/15の区議会区民文教委員会で、日本共産党・まりこ勝彦委員の質問に対し、区側は「5/20の日本建築学会の明石小学校見学の際、改築の中で保存活用可能な部材(御影石の階段など)を一部残す工夫をすることを、日本建築学会と区側の双方で確認している」という説明をしました。
                                   
 しかし、日本建築学会は「解体について中央区と何らかの合意をした事実は一切ない。記録保存や部材保存にとどまることなく、重要文化財建築物に見合う保存、活用を決断するよう重ねて要望する」との見解文を、7/21付で区側に提出。学会の担当者は「信頼関係が損なわれ、区に協力できる状態ではない」と説明しています。
                                   
 たしかに3年前から改築のための準備は進められてきました。しかし、それは日本建築学会が「重要文化財級の価値ある建物だ」との見解を示す以前のことです。今回の学会の「保存要望書」提出により状況は一転したはずです。重要文化財となれば、区にとどまらず、日本や東京都全体にとっても重要な価値を持つものとなります。
                                   
 日本建築学会は、国内建築や情報発信では最も権威を持つ団体です。保存を求める要望書により、解体から一転、保存になったものも数多くあります。こうして新聞やテレビなどメディアでも注目を集めることになった今、区教育委員会は8月の解体工事を再考するべきだと思います。