潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が、8月26日、ソウルでの記者会見で、安倍首相を念頭に「正しい歴史認識が必要」と発言しました。
「国連事務総長として個別の2国間問題に深く介入することは望ましくない」とした上で、「北東アジアの指導者が未来をみながら、時刻の発展だけでなく北東アジアの発展、全世界的な共存・共栄・発展のためにどのようなことができるのかについて、もっと広い視野を持つことが必要だ」と呼びかけました。
日本の憲法改定の動きを周辺国が憂慮していることに対する「国連の立場」を問われた潘氏は「政治指導者の決断が必要。正しい歴史認識を持ってこそ他国からも尊敬と信頼を得るのではないか」と指摘しました。
さらに「歴史をどう認識して、未来志向的な善隣関係を維持できるのか。日本政府や政治指導者が非常に深く省察し、未来を見通すビジョンが必要だ」と強調しました。
日本の侵略戦争は「自存自衛の正義の戦争」だったと内外に宣伝し、靖国神社への参拝を繰り返す安倍首相。 「侵略の定義は定まっていない」などと述べ、日本の侵略と植民地支配の誤りを認めていません。
戦後の国際秩序は、日本やドイツ、イタリアによるファシズムと侵略戦争を断罪し、2度と繰り返さないことを共通の土台にしています。それが国連の存立基盤でもあります。
潘事務総長が日本の改憲の動きに懸念を持つのは当然のことです。