2013年8月29日木曜日

8/29 シリアに軍事介入 正当性なし

 


 内戦状態にあるシリアで数百人が死亡したとされる化学兵器の使用疑惑をめぐり、アサド政権側が使用したとの見方を強める欧米諸国による、国際法を無視した軍事介入の危険性が高まっています。
 

 一部の米メディアは、今後数日から数週間以内に米軍がシリアへのミサイル攻撃に踏み切ると伝えています。
 

 化学兵器の使用は、化学兵器禁止条約(1997年発効)が明確に禁じる「国際法の重大な違反」です。しかし、国連調査団が調査を進めている現状での一方的な懲罰的軍事介入に正当性はありません。
 

 軍事介入には国連安保理決議が不可欠です。国連安保理で拒否権を持つロシアと中国は、シリアへの軍事介入に反対姿勢を示す一方、米英仏などは、国連安保理決議なしの軍事介入を狙い、“人道的介入”や、政府の機能不全などの場合に国際社会が当該国民を守る“保護責任”原則を根拠に正当化しようとしています。
 

 しかし、大量破壊兵器を口実にした米軍のイラク攻撃(2003年)や、「民族浄化」の防止を掲げた北大西洋条約機構(NATO)によるセルビア攻撃(1999年)も、その国の主権を侵害し多大な人的物的被害をもたらしただけでなく、長期にわたる地域の不安定化や宗派対立など重大な否定的影響を引き起こす結果となりました。

 27日、ドイツの首都ベルリンでは、軍事介入反対を訴える集会が開かれ、参加者たちは「空爆は平和をつくりださない」などのプラカードを掲げ、欧米による攻撃とドイツ軍の参加をやめるよう訴えました。

 27日発表の世論調査では、ドイツ人の69%はシリアへの軍事攻撃に反対、賛成は23%でした。