2014年3月10日月曜日

3/10 超富裕層の所得税優遇

 年間所得100億円を超える富裕層の所得税負担が所得1200万円から1500万円の層よりも低くなっていることがわかりました。国税庁がこのほど発表した申告所得税の標本調査結果(2012年分)を「しんぶん赤旗」が試算しました。

 試算によると所得税負担率は所得100億円超の超富裕層では14・6%にすぎませんでした。これは富裕層の所得の多くが株式譲渡所得だからです。所得100億円超の所得総額の9割にあたる2279億円が株式等譲渡所得でした。

 株式譲渡所得には、給与所得や事業所得より低い税率しかかかっていません。14・6%の税率は、1200万円超から1500万円以下の所得増の15・5%を下回っています。
 所得税負担率は、5000万円超~1億円以下の層で最高の28・4%となり、それ以上の高額所得者の負担率は低下傾向を示しています。




 所得税率 所得税は所得の種類によって税率が変わります。上場株式の譲渡所得にかかる税率は本来15%(地方税5%)かかるところを、13年末までは証券優遇税制として7%(同3%)しかかかりませんでした。14年から15%に戻したものの、給与所得や事業所得にかかる最高税率40%(地方税10%)にくらべ極端に低い額です。