開会中の東京都議会は11日の本会議で、築地市場移転予定地・豊洲の土壌汚染対策工事費を90億円増額する2013年度中央卸売市場会計補正予算を可決しました。
豊洲新市場の土壌汚染対策工事費用は、当初586億円を投じる予定で始まりましたが、工事が難航し、今年度当初予算で86億円を追加計上し、さらに90億円が上積みされることになりますが、増額の根拠は不透明です。
3月7日の都議会経済・港湾委員会で、日本共産党・かち佳代子都議は、都が汚染土壌を洗浄処理した残りかすをセメント工場に搬出していたものを、管理型処分場への埋め立てに変更したため、処理経費を33億円から123億円へと90億円増額したという根拠を追求。
残りかすの量が当初計画から2倍となった一方、処理経費が8倍化したことが明らかになりました。かち議員が、セメント工場への搬出から埋め立て処分に変更した理由や、経費増の内訳をただしましたが、答弁に立った担当部長は詳細な内訳や具体的根拠は明らかにしませんでした。
もともと予定地の土壌汚染対策事態が、調査にも対策にも欠陥があることは、日本環境学会の専門家などからも批判されてきました。
都が土壌汚染対策法で定められた2年間の地下水モニタリングの結果すら確認しないまま、「安全宣言」を出し、本体建設工事に着工することも問題です。
都の土壌汚染処理策自体も、食の安全・安心を担保する科学的知見も、都民合意もない移転計画に、湯水のように税金を拠出することは見直すべきではないでしょうか。
↑ 3.11直後の豊洲のようす。移転予定地の東京ガス跡地では、100カ所以上が液状化し、地中にあった有毒物質が噴出しました。青いビニールが所々かけられているのが分かります。